ほっこりレター ~ 懐かしいひと時 ~

< 懐かしいひと時 > 見谷メディカルサービス まそら K・O

201907夏先日、6年ぶりでとある中華料理店に行って来た。長らく金沢の官庁街で繁盛していたが、主が高齢のため引退したので、後を引き継いだ二代目が新たに店を構えた。旧の店は表通りに面していたが、今度は細いバス通りに面した郊外の住宅街といったところか。赤を基調としたやや小さめの店である。うん、中華の店にはやっぱり赤が似合う。

時刻は11時10分過ぎ、店に入るとカウンターにせんきゃくが一人いた。久しぶりに二代目とご対面だ。二代目と言っても親子の関係ではない。主と使用人の関係が28年間続いた結果だ。早速、餃子ライスを注文した。餃子は10個にした。焼きあがるまで先代と二代目が並んで鍋を握っていた頃の昔話に花が咲いた。どこかほのぼのしたところがある二代目、苦虫を噛み潰したような先代、料理人として真逆なスタイルはバランスがとれていてちょうどいい。

そんな風景が懐かしい。やがて餃子が焼きあがった。薄皮で見た目が丸いところは全然変わっていない。まろやかな味と餡のきめ細やかさは、限りなく先代に忠実である。この食感はちょっと他の店にはない、私の一番のお気に入りである。二代目には、ずっとこの餃子の味を守ってほしいと願う。ところで、この店のルーツは小松にある。小松つながりで、これからも折を見て足を運んでみたい。